独り言は大声で。

完全不定期で、受験の話をしたり旅行の話をしたりしていきます。たまに覗きにくるといいことあるかも。

僕が壮行会で話すこと

 塾や予備校というのはなぜか知りませんがイベントが大好きですね。「勉強合宿」だの「始業式」だの「ガイダンス」だのと無駄なイベントを次から次へと開催して生徒の勉強時間を奪っていることも多くあります。僕が通っていた束進ハイスクール(仮名)も「説明会」だの「リスニング講習会」だのと参加を要求してきました。その度に「明日仏滅なんで」「明後日が曇り予報なので」などと適当な理由をつけてサボっていましたが(笑)。その中で、一番盛り上がるとイベントが「壮行会」だと思います。

 大体の壮行会では先生たちが熱いメッセージを送り、みんなで拳を突き上げて絶叫するという一歩引いたところから見ると極めて違和感のある行為をしているのですが今日はそんなお話です。もしこれを受験生が読んでいるなら受験の前になってから読むことをオススメします。

「来し方行く末を思え」

 僕は必ず壮行会でこの話からします。これは今井先生が言っていたことを元にした話です。

 「来し方」というのは今までの努力で、「行く末」というのはこれからの未来だよ、と。たまに「周りの受験生はカボチャだ」だの「サツマイモだ」だの「ジャガイモだ」だのと言って勝手に志望校を八百屋にしている親や先生がいるけれどそんな人たちの言うことは気にしても仕方がないし、ましてや「緊張するな!」というトンチンカンなアドバイスを真に受けたりしないこと。意識的に緊張しないことはできないんだから、むしろその緊張を楽しむべきであること。緊張している自分を客観視して、「ああ、自分は今緊張しているんだな」ということを受け入れた上で、自分のこれまでの努力とこれからの未来について考えること。気づいた時には試験が始まる時間になっていて、おそらく周りの受験生よりは緊張がほぐれているはずだということ。

「結果は縁と受け止めろ」

 次はこの話です。これは母校の先生に言われたことです。

 受験をすれば当然落ちることも出てくるけれど、それは自分の実力ではなくてたまたま縁がなかっただけだと考えよう。2回入試があるならもしかしたら2回目で縁があるかもしれないから、絶対に試験を受けに行くべきだということ。先生も4日まで良い縁がなかったけれど、その縁は最高のもので、中高6年間はとても楽しかったこと。もし入った学校が第一志望でなかったとしても、その縁を大事にしてその学校が「母校」になるようにしてほしいこと。

 ちなみに、この辺で生徒が「あれ、今日の先生は良いこと言うぞ」という雰囲気になってきます(笑)。普段は「ちょっと今日は紙が大きいですが、A4でええよん、という感じですね」「先生はどちらかというとJALが好きでごJALよ」などと不真面目なことばかり言っている先生が何やらマジメな話をしているぞ、ということだと思いますが。

「迷ったら最初の答え」

 そして、最後はこのどうでも良い話でオチをつけて終わりにします。ちなみにこれは四谷大塚の先生に言われたことです。要するに僕の話は幕の内弁当ですね(笑)。

 国語の選択肢問題などで見直しをしている時に「あれ、どっちだ」となったら最初の答えにしておくこと。明らかに間違っている場合は別として、大体の場合は最初の答えがあっていることが多いから迷ったら答えは書き直さない方が良いこと。君たちも今までに受けた模試で「あー、直さなきゃよかった」という経験の方が「あ、直しておいてよかった」という経験の方が多いでしょ。

 これでみんな「あ、いつもの先生に戻ったな」という顔をし始めるのでここで話を終わりにすることにしています。

 

 なかなか言葉巧みに生徒を納得させる詐欺師のような話をしていますが、僕は塾講師と詐欺師は紙一重の存在だと思っているのでこれくらいがちょうど良いさじ加減です。