独り言は大声で。

完全不定期で、受験の話をしたり旅行の話をしたりしていきます。たまに覗きにくるといいことあるかも。

210825 被害届を出してみた。

 いきなりなんだ、と思われた人もいると思いますが(というか思った人しかいなさそう)、この度このブログの管理人は生まれて初めての被害届を警察に提出してきました。被害届、そう、犯罪被害に遭ったときに警察に出すアレですね。ドラマの中だとよく出てきますが、今回はそれを自分で出してきました。いや、ドラマの中で出てくるのは逮捕状と捜索差押許可状か。どっちでもいいですが、せっかくなので「被害届を出すとどうなるか」を実況中継することにします。どんな企画なんだろ。

自転車がないぞ

 ことの始まりはアルバイト先の塾に止めておいた自転車が何者かに盗難されたことでした。通りから入った私有地内の駐輪場だからまさか盗られることもないだろうと思って特に鍵もしていなかったらふと帰ろうと思った時に消えていました。まあ、通りから見えるところに止めるなら鍵しろよという話ではあるのですが。

 最初は生徒が乗って帰った(普通に考えてそんな度胸のある小中学生はいないか)とか、他の先生が自分の自転車と間違えて乗って帰った(乗る前に気付けよ)とか色々な可能性を検討したのですが、状況から判断して誰かが乗って行ってしまったのだろうと判断したので警察に届け出ることにしました。もう買ってから2年くらい経っていて相当な距離を走っているし、雨だろうが雪だろうが酷使しているし、後ろの泥除けは割れているし(そもそも泥除けをプラスチックで作るな)でそろそろ乗り換えようと思っていた時だったので見つからなかったら諦めればいいや、くらいの気分だったのですが「被害届を出してみたい」ということで被害届を出すことにしました。そんなノリで出された届でも真摯に対応してくれるお巡りさんには頭が上がりません。

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飛行機で煽り運転されました(写真と本文は関係ありません)

被害届を書く(準備編)

 とりあえず近くの交番に行き、自転車が忽然と姿を消したことを報告すると、その現場を警察官が一緒に見にきてくれて、どんな状況だったか、防犯カメラはあるか、などの確認をされました。ちなみに、塾にはカメラはありませんでしたが通りに商店街のカメラがついていたようです。

 自転車盗の被害届には自転車の防犯登録の番号が必要になるのですが、その番号だけではなく原本が必要とのことでした。もう夜の11時を過ぎていた(仕事し過ぎですね)のでその日の提出は断念し、また翌日に防犯登録の原本(甲カードというらしい。クオカードの友達ですかね)を持って交番に馳せ参じることにしました。

被害届を書く(自分で書くとは言ってない)

 翌日、甲カードを持って交番に行くと被害届の作成が始まりました。作成とは言ってもそのほとんどをお巡りさんが記入してくれました。書き方が厳密に定められているようなので一般人に書かせると書き直しが連発して大変だからなのか、それとも何か別の理由があるのかはよくわかりませんがお巡りさんにされる質問に答えていくと書類をどんどん作成してくれます。質問と言っても「いくらで買いましたか?」とか「新車ですか?」とか「普段はどこに停めてますか?」とか、簡単に答えられるものがほとんどでした。変わった質問だと「これを今誰かに売るとしていくらで売りますか?」というのがありました。盗難された品物の現在価値を記入する必要があったようです。「1万円くらいですかね。1万5000円と言ったら強欲すぎる気がします」と言ったら「じゃあ1万円にしておきましょうか」ということになったので、その辺の厳密さはあまり必要ではないようです。ここで「9980円」とか言ったらどうなるのかはちょっと興味あります笑

 ちなみに、一番下の備考欄のようなところにお巡りさんが何やら書いているので見てみたら、「以上を本人の希望により代書した」というようなことを書いて、お巡りさんが自分の階級と氏名を書いていたのですが、そこに「司法警察員」と書いていたのが気になって質問したところお巡りさんにはこの地位が与えられているとのことでした。そういえば、昔電車の車掌さんにこの権限が付与されていたと何かの本で読んだことがあるような気がします。列車内での犯罪に対応するための措置だったはずです。

 そんなこんなで届の作成が終わり、住所やら氏名やらを自筆して、左手の人差し指をハンコの代わりに使ってポチッとハンコもどきを捺して書類の提出も無事に完了しました。「これって見つかるとどうなるんですか?」と聞いたら「発見された場所を管轄する警察署から電話が行くので取りに来ていただくことになります」とのことでした。「じゃあ乗って行っちゃった人が自転車旅行して、鳥取の山奥とかで発見された場合は鳥取まで受け取りに行くんですか?」と聞いたら真面目な顔をして「規定ではそうなりますが、1万円の自転車を取りに行く交通費の方が高くなってしまうので所有者が警察にお願いすれば処分できることになっています」と教えてくれました。まあそうですよね。ぼくだったら絶対に取りに行かないもん。

 さて、窃盗罪の公訴時効は7年間なので、少なくとも書類を提出した日から7年の間はぼくの自転車は窃盗の被害に遭った車両として手配されることになりました。お巡りさん曰く「いつ見つかるかは本当にわからない。数日以内に近くに乗り捨てられているのが見つかることが多いが、5年後とかになってから突然見つかることもある」とのことでした。ま、1週間くらいは待ってみるかということにして交番を後にしました。

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たまに清涼感(写真と本文は関係ありません)

見つかった

 その後数日して知らない番号から電話がかかってきたのですが絶賛授業中だったのでその場では出られず、後で折り返したら「見つかったから交番に来て欲しい」とのことでした。そういえば番号の末尾が「0110」でしたが、警察の番号の末尾がみんな0110だという噂は本当のようですね。

 その日の業後に受け取りに行き、「この自転車は自分のもので、間違いなく受け取りました」というような書類にサインすると受け取りが完了しました。被害届は書くのに30分くらいかかりましたが、これは一瞬でした。住所を書いて、名前を書いて終わりくらいのものです。提出する先が所轄の署長だそうで、「警視正 司法警察員 〇〇」というふうに記入するように指示されました。「警視正って偉い人ですよね?」と言ったら「そうですね、この人は署長なんで偉い人です」とのことでした。少なくとも「密着警察24時」とかに出てくる人ではなさそうです。知らんけど。

 見つかったときの状況は通報者の個人情報保護の都合があるのかあまり詳細は教えてもらえませんでしたが、乗り捨てられているのが発見されたようです。状況からして酔っ払いか誰かが気持ちよくなって乗って行ってしまったのだろう、とのことでした。うーん、酒飲んで自転車乗るなよ。

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音威子府かどこかのキハ54(写真と本文は関係ありません)

 というわけで自転車が無事に見つかり、この件は一件落着となりました。誰かに乗られた自転車を引き続き乗り続けるというのは微妙な気もしますが、まあ見た目に汚れてもいないしいいことにします。戻ってきたのも何かの縁だと思うのでもう少しは今の自転車に乗ろうかな。