独り言は大声で。

完全不定期で、受験の話をしたり旅行の話をしたりしていきます。たまに覗きにくるといいことあるかも。

やる気が出ない、という現象について

 休み時間にたまに生徒に「先生、やる気が出ない時はどうすればいいですか?」と聞かれます。これは非常に面白い質問で、人によって答えが全く違うものになるので先生の間でもたまに議論になる質問です。僕の場合、相手によって答えが変わります。要約すると「やる気が出ないならやらなくていい」という答えと、「そもそも受験勉強はやる気があるからやるんじゃない。やらないといけないからやるんでしょ」という答えと「何言ってんださっさとやれ」になります。これがどういうことなのかというのが今日の話題です。

 あなたは大丈夫、というパターン

 まず、「やる気が出ないならやらなくていい」というふうに答えるのは成績が良くて日頃は真面目に勉強している生徒に対してです。当たり前ですが、いくら成績優秀でも、いつでもやる気になっているとは限りません。普段のパフォーマンスが高いレベルにあるなら、やる気が出なくてパフォーマンスが下がっているときに無理やり勉強する必要はないだろう、ということです。パフォーマンスが良いときの処理能力が高いから、低い時は息抜きすれば良いんだよ、と伝えています。

 そして、こういう子たちのすごいところはしばらく勉強しないでいると勝手に勉強したくなってまた勉強し始めるというところです。前に「勉強してない時の罪悪感がすごい」と言っている生徒がいました。これくらいのレベルの子ならやる気が出ないならやらなくて良いと安心して言うことができます。

 貴方は普段からやる気ないでしょ。

 その正反対がこのパターンです。やる気がないも何も、お前いつもやる気ないだろ、というタイプには「何言ってんだ」としか言いようがありません(笑)。ただでさえないものがもっとないのですからこちらとしては「緊急事態宣言を発出することといたしました。」ですね。そういえば「発出」という言葉はこの前の会見で生まれて初めて聞きました。そんなことはどうでも良いのですが、このタイプの子は「○時まではとにかく座ってこれを勉強すること」と言ってとにかく机に向かわせるしかありません。

 でも実はこの子たちにやる気を起こさせるのはそれほど難しいことではなくて、彼らは適度に目を配ってあげると勝手にやる気になってくれるケースが多いのです。そもそもやる気も見えないし成績も悪いのしで普段は先生たちにほったらかされている子たちなので、少し相手をしてあげるだけですぐやる気になります(笑)。ある意味楽といえば楽ですね。

やるべきことをやりなさい 

 このどちらでもない子たちには「やる気があるからやるんじゃない。やらなきゃいけないからやるんだ」と言います。これは母校の卒業生が言っていたことなのですが、なるほどその通りだと思います(ちなみに彼は東大に合格しました)。これを生徒に言うと大体ものすごく不満な顔をされますが(笑)。

 

 要するに、やる気があろうとなかろうと、やるべきことをやって覚えるべきことを覚えていれば良いのです。僕は、受験勉強というのはやる気によって左右されて良いものではないと思います。決められた枠内に入っていることをやれば結果が出て、やらなければ結果が出ないのが受験なのですから、やる気があるかないかというのは勉強をする理由にもしない理由にもなり得ないのではないでしょうか。